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2015/4/2

小・中学生や高校野球のピッチャーの球数制限は必要か?

昨日、春の甲子園大会も終わりました

私の母校も甲子園で優勝したこともある常連校なので

高校野球は好きで毎回甲子園の試合はよくチェックしています

そして今回、春の覇者は福井県代表の敦賀気比高校!

おめでとうございます!!!

惜しくも甲子園に届かなかった学校も、負けて悔し涙を流した高校も

頂点に立った敦賀気比高校もまた、これから夏に向けて始動です!

夏にはどんなドラマが待っているのか?

将来プロの舞台で輝く、未来のスター候補が現れるのか??

一野球ファンとしては今から楽しみです


さて高校野球といえば、以前からたびたび議論になる「球数制限」ですが

3月24日のデイリースポーツの記事に興味深いものがありました

「小学生は週100球まで…少年の故障防止へ 1万人調査で見えてきた投球基準」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150324-00000030-dal-base

この中では、

肩、肘に関しては、野手、捕手、投手、投手兼捕手の順で、痛みを訴える選手が多くなっている。また、投手の全力投球の投球数がこれまでの指針である週200球ではなく、週100球を境に故障の可能性が上がっている。

これを受けた考察では−

・捕手も投手の次に肩肘痛が多く、この2つのポジションの兼任はさけるべき

・投手と同様に、捕手の投球(送球)制限も設ける必要があるのでは

・1週間の全力投球数は、100球未満と100球以上で傾向に差が出るため、投球制限について真剣に考える必要がある

・野手も週2日間は休むべき

といった新たな提言がなされている。

・・・と書かれています



本場、メジャーリーグの方でも次のような話題が持ち上がっているようで

少し前の記事ですが、実に興味深かったのが

「先発完投主義は高校野球が原点?米国から届いた問題提起とは。」
http://number.bunshun.jp/articles/-/601840

この中には

日本の先発投手の理想像は、まさに高校野球に原点があるように思う。

とにかくチームのために球数など関係無しに連戦連投し、勝利をもたらすことが最優先となる。

このスタイルがそのまま大学やプロ野球にも反映されているから、現在も日本では“先発完投”が重要視され、

投球内容が悪くない限りは、球数に関係なく続投が基本となる。

・・・と書かれています

また、この記事には

ドジャースのフロント陣にインタビューをした際、昨年まで国際スカウトのトップだった

ローガン・ホワイト氏(現在はアマチュア・スカウト部門の副社長)はこう語っていた。

「マツザカ(松坂大輔投手)は高校野球史上最高の投手だったが、その反面とにかく投げ続けた。その一方でサイトウ(斎藤隆投手)やクロダ(黒田博樹投手)は高校時代エースではなく、サイトウに至ってはファーストだった。彼らは高校時代に投げ続ける必要がなかった。そして今、40歳前後になっても投げ続けているのは一体誰なのか? クロダとサイトウだ。そして現在のマツザカの状況を考えて欲しい」

・・・とも

メジャーでは「肩」は消耗品という考え方で、全くもってごもっともなご意見です

確かに日本球界でも、高校までは特に目立った活躍もなく

大学時代から投手を始めたり、才能が華開いた選手の方が息が長いような気がします

ここでは名前が挙がっていませんが、元巨人の上原選手もそうですね

もちろん投球フォームの良し悪しもありますが、負荷をかけ過ぎることが

俗にいう野球肘、離断性骨軟骨炎や肩を痛める原因になります

当院にも肘や肩が痛いと言って来院される子供さんがおられます

この記事にもあるように、昔から日本は先発完投が「美徳」とされてきましたし

「勝つこと」にこだわることも、「根性論」が根強いのもわかります

最近ではアイシングがようやく一般にも広く認知されてきていますが

指導者や親の立場として、子供たちの身体のことや将来性を考えるなら

部分的に導入されている登板制限から

「球数制限」の導入の検討を始めるべきではないでしょうか?


※追記(2020/2/1)

最近では鎮痛以外のアイシングの効果が疑問視されて

登板後でもアイシングを行わないメジャーリーグの球団が出てきています