背中・腰の症状

背中・腰の症状

腰 痛

腰痛

 腰痛にはぎっくり腰のような急性腰痛や、何ヶ月も続くような慢性的な腰痛があり、それらはさまざまな原因、病態があり、治療方法も異なります。その腰痛の85%が"原因不明"の非特異性腰痛というもので、「画像所見で異常が見られない腰痛」と定義されているものです。

 急性腰痛は骨折や感染などの重大な疾患でない限り、適切な処置をして治療すればほとんどが完治できます。しかし慢性腰痛の人は、ぎっくり腰などの急性腰痛を適切な処置をしないでそのままにしている、間違った対処をしている、そもそも施術するポイントがずれていることがほとんどです。慢性的な腰痛の原因には、腰痛に対する間違った考え方や思い込み、動くこと、痛みへの恐怖、ストレスなどの心理的影響のほか、身体の動作パターン、筋肉の緊張や筋力低下、仕事環境や日常生活、睡眠不足、関節の可動域制限、呼吸や腹圧、体幹部の不安定性など、さまざまな要因があります。これらをしっかり鑑別して、対処することで改善していきます。

 腰痛とヘルニアの関連を調べるために行った研究(1995年)で、腰痛がない健康な人を対象に画像所見(MRI)を撮ったところ、76%の人に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が見つかったという結果があります。別の研究結果では30代の人でも52%の人に椎間板の変性が見られたというものもあります。つまり、腰に限らず健康な人でもMRIを取れば何らかの異常が見つかるもので、「腰痛=画像所見での異常」とはならないということです。(画像所見は内臓由来や血管などが原因の腰痛を除外するためには重要です!)

 また、これまで腰痛は安静にすることが推奨されてきましたが、ぎっくり腰などでも動けるようになってきたら、なるべく動いて日常生活を維持することが慢性化を防ぐために必要だということが、近年の研究からわかってきています。

 2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大によって、在宅勤務・テレワークが増えています。通勤で歩くなどの運動量が減っていることで、ぎっくり腰や腰痛でのご相談は増えています。

【当院の施術】
骨盤や股関節、連動する筋肉の状態などを確認して施術を行います。痛みの出ているところが原因となっていない場合もあるため、そういった場合には全身の連動性から改善を行います。そのほか自宅でできるメンテナンスの方法や、ウォーキングの指導も行っています。

画像を見て「手術をしましょう」と言われた方でも改善した症例、脚のしびれが改善した症例は多くあります。腰痛やぎっくり腰でお悩みの方は当院にご相談下さい。

◎骨盤・姿勢について
◎骨盤調整について
◎レントゲンで異常はないのに痛いのはなぜ?
◎ヘルニアは腰痛の原因?

ぎっくり腰

ぎっくり腰


 ぎっくり腰はドイツ語でHexenschuss(魔女の一撃)とも言われ、寝ている状態から急に起き上がる、重たい物を持ち上げるなどの動作を行った時にのみ起こるのではなく、前屈みになった時やくしゃみをした時など、些細な動作がきっかけとなって筋肉や筋膜、靱帯などの軟部組織が損傷して起こります。

 何度も繰り返すぎっくり腰は腰回りの筋力低下、腰や股関節・骨盤の可動域の制限、体の間違った使い方、体幹部の不安定性などが原因となっていることが多く、普段から姿勢や体の動きを意識して運動することや、ストレッチなどで筋肉の緊張をやわらげることが予防になります。

 ぎっくり腰でも痛みの慢性化を防ぐため動ける範囲でできるだけ動いて、日常生活を維持することが大切です。

【当院の施術】
骨盤や股関節、体幹や連動する筋肉の状態などを確認し、徒手施術・微弱電流治療・できる範囲での運動療法などを組み合わせて施術を行います。


坐骨神経痛

坐骨神経痛

 坐骨神経は腰仙骨神経叢の主要神経で、人体の中で最も幅が広く長い神経です。腰椎4番~仙椎3番から始まり、梨状筋下孔を通って骨盤の外へ出ます。骨盤から外に出た坐骨神経は殿部~大腿後面を下行し、膝の辺りで脛骨神経・総腓骨神経に分かれます。この坐骨神経がなんらかの刺激を受けてお尻から脛(すね)にかけて、場合によっては足の指先まで痛みを発するものです。また、坐骨神経痛は症状であって疾患ではありません。

梨状筋症候群

梨状筋症候群

 殿部にある梨状筋は股関節の外旋・外転・伸展の作用があり、股関節の安定化の補助をします。この梨状筋が骨盤の可動域制限など、なんらかの要因で過緊張を起こして坐骨神経に影響をおよぼし、坐骨神経痛と同じような症状を呈するものです。

◎症例 50代女性


広背筋症候群

広背筋症候群

 広背筋は第7~12胸椎、第1~5腰椎、仙椎、腸骨稜から始まり、肩甲骨下角を通って上腕骨の結節間溝に付着する筋肉です。その作用は上腕の内転、内旋、後方挙上のほか、呼気(息を吐く動作)にも関与しています。投球動作などでは腰と上肢を結ぶ筋として、骨盤や腰の捻りのエネルギーを伝える重要な働きをしています。この広背筋に痛みや攣縮が生じて肩甲骨の外転、肩関節の外転・外旋運動が制限されているものです。広背筋症候群が起因となって、投球動作などで肩関節周辺の障害を引き起こす事があります。